アレルギー性鼻炎
日本国民の4割近くが罹患しているといわれるアレルギー性鼻炎。
当院では総合的な診療で、患者さんのお悩みを解決していきます。
アレルギー性鼻炎の有病率は、日本全体で39.4%(通年性アレルギー性鼻炎23.4%、スギ花粉症26.5%)と多くの方が罹患しており、さらに増加傾向にあるとされています。
アレルギー性鼻炎の症状は、鼻閉、鼻汁、くしゃみの3大症状の他、眼のかゆみ、流涙、眠気、睡眠不足、嗅覚障害を引き起こし、生活の質(QOL)を著しく低下させる慢性疾患です。
右図は同一患者さんのスギ花粉オフシーズン(左)とシーズン中(右)の右鼻腔内初見を示します。 無治療では粘膜の発赤・腫脹と水様な鼻汁の流出をきたします。
アレルギー性鼻炎を有する患者さんの54~67%が嗅覚低下(嗅覚脱失、嗅覚低下)を自覚し、21~45%で嗅覚検査の有意な閾値上昇を認めることが報告されています。嗅覚障害の原因疾患別には慢性鼻副鼻腔炎、感冒罹患後の次に頻度が多い疾患です。
アレルギー性鼻炎の嗅覚障害は、鼻粘膜の肥厚や鼻汁過多に伴う鼻閉によるいわゆる呼吸性嗅覚障害がメインで、既存の鼻アレルギー診療ガイドラインでの治療法の選択は、少なくとも中等症以上の鼻閉型または鼻閉を主とする完全型が適応となります。
以上の治療に難渋する嗅覚障害の場合、嗅粘膜の抗炎症効果をはかる治療(リンデロン点鼻、経口ステロイド)を追加することがあります。比較的予後良好とされ、適切な治療により改善しうる病態と考えられています。しかし嗅覚障害が長期に及んだ場合には、廃用症候群により中枢性嗅覚障害を併発する可能性もあり、漫然と経過を見ることはお勧めしません。
またアレルギー性鼻炎は他の気道アレルギー疾患(気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎)との合併が多く、診断や治療も重複することから総合的な診療が必要とされています。当松脇クリニック品川では、アレルギー専門医の耳鼻咽喉科医師と呼吸器内科医師が協力しその診療にあたります。根本的なアレルギーの克服のため、免疫療法を選択することもあります。嗅覚障害あるいは重複するアレルギーに悩む患者さんの一助になればと考えています。