医療法人社団 恵芳会 松脇クリニック品川 耳鼻咽喉科/アレルギー科/呼吸器内科/麻酔科

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診療内容 / 得意とする疾患

好酸球性副鼻腔炎

原因が特定できず、難病指定もされている好酸球性副鼻腔炎。
患者さんのにおいを取りもどすため、豊富な臨床経験に基づき治療してまいります。

  • 好酸球性副鼻腔炎とは
  • 診断と治療方針

慢性鼻副鼻腔炎の病態は多様化の傾向を示しています。
かつては,急性副鼻腔炎の反復による炎症の持続ならびに慢性化を契機として発症する、化膿性(非好酸球性)副鼻腔炎が主体でした。しかし今日では、抗生物質治療の進化と内視鏡下鼻・副鼻腔手術(ESS)の導入により、化膿性副鼻腔炎の治療成績は飛躍的に向上してきています。

その一方で、副鼻腔炎の中には、これらの治療を行ってもポリープの再発を繰り返す難治性副鼻腔炎が増えてきています。難治性副鼻腔炎の中には、気管支喘息、特にアスピリン喘息を合併していることが多くあります。発症初期から嗅覚障害を有し、副鼻腔粘膜や鼻茸組織中に多数の好酸球の浸潤(本来その組織固有のものでない細胞が、組織の中に出現すること)が見られ、副鼻腔内にも、ネバネバしていて濃いニカワ状の好酸球性ムチンが貯留している症例が増加しています。

私たちは、再発を繰り返し、副鼻腔粘膜において著しく活性好酸球が浸潤した副鼻腔炎を、好酸球性副鼻腔炎と呼称することを提案しました(春名, 耳展2001)。この疾患は手術や適切な治療を行ったとしても再発率が高く、嗅覚が失われる可能性があるため問題となっています。

好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎の特徴として、1)両側性、2)鼻茸を伴う、3)篩骨洞陰影優位(上顎洞と比較して)、4)発症早期より嗅覚障害を呈する、5)気管支喘息を合併していることが多い(40〜70%)、6)経口ステロイドが著効する、7)易再発性などが挙げられています。(図参照)。

図は好酸球性副鼻腔炎の特徴と臨床像を示したものです。図右上は鼻茸内のポリープの病理所見で、赤いポツポツが好酸球です。特に、活性化好酸球を示すEG2抗体陽性の細胞を示しています。この数が顕微鏡400倍の視野内に70個以上存在すれば好酸球性副鼻腔炎と診断されます。見本のポリープは約250個を数え、重症例といえます。

右下は副鼻腔CTを示し、すべての鼻副鼻腔内がポリープやムチンで充満した汎副鼻腔炎です。嗅覚は消失し、鼻での呼吸も儘ならない状態の重症例です。私のこれまでの臨床研究から、好酸球性副鼻腔炎は、非好酸球性副鼻腔炎と比較して、3.175倍再発しやすい疾患と報告しております(Matsuwaki Y. Int Arch Allergy Immunol 2008)。

好酸球性副鼻腔炎は2015年7月より厚生労働省にて難病疾患の1つに認定されました。
(参考)http://www.nanbyou.or.jp/entry/4331

診断基準に該当し、再発されている方は申請することをお勧めいたします。認定されれば医療費助成を受けることができます。院長である松脇医師は、東京都都知事から指定された難病指定医の1人です。知事の指定を受けた指定医に限り、難病の患者に対する医療費助成の申請に必要な診断書を記載することができます。また原則、知事の指定を受けた医療機関等(指定医療機関)が行う医療に限り、指定難病患者の方が医療費助成を受けることができます。当クリニックも東京都の指定医療機関に指定されております。

治療が難しく、再発しやすい疾患だけに罹患された患者さんとは長いお付き合いになることがほとんどです。
松脇クリニック品川ではなるべく患者さんの負担を少なくするような工夫をしています。例えば重複する気管支喘息も一度に診察・治療し、アレルギー専門の呼吸器内科と相談しながら無駄のない適切な治療をしていきます。
手術適応の場合は、麻酔科も加わり、なるべく安全な麻酔法を選択し、短期滞在での内視鏡下鼻・副鼻腔手術を安全に提供します。また専門の薬剤師が点鼻や吸入の指導、服薬指導を行います。決まったお薬であれば院内薬局から処方することによりトータルの待ち時間短縮を図ります。
すべては患者さんのため。私たちは努力を惜しみません。

JESRECスコアによる「診断基準」と「重症度分類」により診ていきます。
これは難病指定の際も、この診断基準に従います。

診断基準

① 病側:両則 3点
② 鼻茸あり 2点
③ CTにて篩骨洞優位の陰影あり 2点
④ 末梢血好酸球(%)
2< ≦5 4点
5< ≦10 8点
10< 10点

<診断基準:JESREC スコア>
①~④の合計(JESRECスコア):11点以上を示し、鼻茸組織中好酸球数(400倍視野で異なる箇所を3箇所計測した平均)70個以上存在した場合を確定診断とします。

重症度分類

好酸球性中耳炎を合併している場合は高度リスク群に入ります。
下記フローチャートを参考にしてください。

鼻内所見、鼻副鼻腔CT、血中好酸球数より各項目スコアの合計が11点以上の場合、好酸球性副鼻腔炎を疑いマクロライド療法、抗ロイコトリエン薬と点鼻噴霧ステロイド薬を加えた保存的治療を3ヶ月施行します。
気管支喘息を合併する場合は、呼吸器内科医と協力し喘息の治療を同時に行います。十分な治療効果がない場合は内視鏡下鼻・副鼻腔手術(慈恵医大式)を検討します。

1)末梢血好酸球数 > 5%かつ篩骨洞 優位の陰影、2)気管支喘息の合併、もしくはアスピリンアレルギー、NSAIDsアレルギーの有無により好酸球性副鼻腔炎の可能性が高度・中等度・低リスク群に分けられ、その可能性が高い場合は、漫然と保存的治療を繰り返さず、内視鏡下鼻・副鼻腔手術を施行することをお勧めいたします。

外科的治療の早期介入が嗅覚温存の可能性を高める可能性があります。術前・中採取した鼻茸中の好酸球浸潤が400倍視野で平均70個以上であった場合好酸球性副鼻腔炎と確定診断し、適切な術後治療を選択します。

松脇クリニック品川では、治療開始前あるいは正式な手術前に鼻茸切除術(日帰り)と病理検査を行い、鼻茸内の好酸球浸潤の程度から好酸球性副鼻腔炎の確定診断を得ることもあります。そのメリットとしては、難病申請を早期に提出できること、正式な手術前にステロイドや抗アレルギー薬を投与し、病状の軽減した状態で完全な手術が可能になることなどが挙げられます。

手術は、内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型つまり汎副鼻腔手術を施行します。その術式は慈恵医大式ですべての副鼻腔の隔壁を残すことなく完全に開放し、ポリープなどの粘膜病変や副鼻腔に貯留した好酸球性ムチンを完全除去します。鼻腔と副鼻腔を単洞化することにより術後の鼻洗浄が容易になり、点鼻噴霧ステロイドも現界壁まで届くため、再発率が少ないと考えられています。当クリニックでは4Kハイビジョン内視鏡システム(OLYMPUS)と磁場式ナビゲーションシステム(Medtronic)を導入しより安全な手術が提供できると考えています。

術後治療は手術と同じくらい大切です。マクロライド療法(3カ月)、経口ステロイド(2週間〜数カ月)、第2世代抗ヒスタミン薬(3カ月)、抗ロイコトリエン薬(長期)、点鼻ステロイド(長期)等を組み合わせ治療を行います。
自宅での鼻洗浄(2回/日)は必須で、局所をきれいにした後、点鼻治療します。経過がよければ上記薬剤は徐々に減っていきます。
再発率の高い疾患ですので長期経過観察が必要です。

図:好酸球性鼻副鼻講縁腔炎の術後治療

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